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病気発覚から今まで 〜2度目の腎生検編〜 |
その後、しばらくして退院した。
『慢性糸球体腎炎』といっても軽度から重度まで幅広く、重度になると腎臓の機能もかなり衰えてくるため、食事制限等生活が大変になるのだが、私は幸いまだ軽度とのこと。しばらく3ヶ月に1回程度通院して様子を見ていくということに。あとコメリアンという薬を毎日飲むようにとわたされ、やっと解放された。
通院と薬を飲むこと以外は、普通の生活が送れた。
それからしばらく、通院と薬の生活を送っていた。腎臓は、肝臓と同じく「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気になっても痛くもかゆくもない。その為、このまま何もなく、100歳くらいまで行けちゃうんじゃないかと思っていたが、そんなに甘くはなかった。
約10年くらい経って、私が29歳になったとき、医者が「腎生検をやってから、もう10年近くも経つし、尿蛋白もまったくなくならないから、もう一度腎生検をやって、今後のしっかりとした治療方針を考えた方がいいね。」と言われた。
医者は軽く言うが、私は腎生検の辛さを10年前とはいえしっかりと覚えている。もう30歳にもなると親が付いて来ている訳でもない。全ては自分の判断。もちろんかたくなに拒否。しかし今回は、親の一押しはなかったものの、医者が執拗に腎生検を薦めてくる。そこまで言われるとやらないといけないのかなとも思ってくるし、もし今回の検査で腎臓の状態がそんなに悪くないという結果が出れば、それはそれでうれしい。しょうがなく、しぶしぶ腎生検をすることにした。
人生2度目の腎生検をやることになり、いつも行っている病院ではできないということで、同じグループがやっている総合病院に行かされる事になった。大変な腎生検の時こそ、今まで長年面倒を見てくれていた先生にやってもらいたいのに、初対面の先生にやられることになった。変な先生だったら、腎生検拒否をして帰ってきてやろう!と意気込んで初めての診察に行ったら、とってもいい先生♪非常に親切な説明を受け、快く腎生検をお願いすることができた。しかも、今回は会社が連休に入るGWに合わせて入院させてくれることになり、会社を休まずに検査を受けることができた。
そして、いよいよ入院をして腎生検をやった。やっぱり腎生検後の絶対安静が辛すぎる。前回も思ったが、もう二度と受けたくはない。ただ、今回は前回とは違って結婚しているため、妻が看病してくれた。これはすごく心強かった。
そして、特に問題もなく予定通り1週間で退院することができた。
腎生検の様子はこちら
その後、しばらくして結果を聞きに行った。病名は前回と同じく『慢性糸球体腎炎』。さらにその慢性糸球体腎炎の中でも、『IgA腎症』という病気というのが分かった。この『IgA腎症』という病気は、軽度ならそのままにしておいても問題はなく、中には数年で勝手に治ってしまう人もいるんだとか。しかし、軽度ではない人は、そのままにしておくと数年後、数十年後に透析になってしまうとのこと。
ちなみに私の場合は、予後比較的不良群という状態で、軽度でもなく重度でもなく中度くらいだが、どちらかと言えば悪い方とのこと。このままにしておけば、55歳で透析になるでしょう。と言われた。そして、確実な治療法はないが、IgA腎症は扁桃腺摘出とステロイドパルス治療というのをダブルで行うと、今まで結構いい実績が出ているから、ぜひこの治療をやりたい。とのことだった。このまま何もなく100歳まで行けちゃうんじゃないかなんて思っていた私は、ものすごくショックを受けた。
しかし、このまま何もしなかったら透析になってしまう。ちょっとでも良くなる可能性があるなら、大変な治療でもやった方がいい。との結論に至った。よく考えたら、今は自分ひとりだけの体じゃないし、頑張らないといけないと思った。
初めて、自分の病気に向き合った気がした。
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