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 扁桃腺摘出手術日記  〜扁桃腺摘出のために入院していた1週間の様子〜
扁桃腺摘出手術をするのは、内科ではなく耳鼻咽喉科ということで、これからしばらく耳鼻咽喉科のお世話になることになった。
なぜ腎臓が悪いのに扁桃腺を取るのかまったく意味がわからない。もしかして、内科と耳鼻咽喉科の儲けるための陰謀かと思ってしまう。

医者が言うには、風邪などのウィルスが体内に入ったときに扁桃腺で抗体が作られウィルスを倒すのだが、私の『IgA腎症』という病気は、それが過剰反応してしまい、その抗体が腎臓を攻撃してしまうらしい。その抗体がIgA抗体というものらしい。
そこで、扁桃腺を取ってしまうとその抗体が過剰反応しなくなり症状が良くなるというもの。よくわからないが、しょうがないので納得。

扁桃腺摘出手術は話にはよく聞くが、実際詳しくは知らない。
たまに、「風邪を引いたときに扁桃腺が腫れて高熱が出た。」とか良く聞くくらいである。
せっかくなので、耳鼻咽喉科の医者に色々と質問してみた。
まず扁桃腺はのどの入り口辺り、口を開けてのどちんこがある辺りの両サイドに1つずつあるらしい。そして、扁桃腺が良く腫れたりする人も、扁桃腺を取ってしまえば腫れなくなるらしい。なくなってしまうのだから腫れようがない。当たり前の話だ。
しかし、普通に考えて、扁桃腺が腫れているのは、扁桃腺でウィルスと抗体が戦ってくれているから腫れて熱が出ているんであって、扁桃腺がなくなったら、そのままウィルスが体内に侵入してしまうのではないか?と思ってしまう。なので、それも聞いてみた。
そうしたところ、扁桃腺がなくなったらなくなったで、他の場所が変わりをしてくれるそうだ。実に単純。人間の体は、便利にできているものである。

なにわともあれ、手術をすることは決定しているので日程を決めることに。医者が取り出したA4サイズくらいの手帳。そのスケジュールの欄に手術の予定がビッチリ書いてあった。この人明けても暮れても手術をしているんだなとビックリした反面、ちょっと安心。
「じゃあ、いつにしようか?早い方がいいよね?9月1日くらいでいいか?」
あっさり決まった。
手術なんていうと、綿密にスケジュールを合わせながらやっていくものだと勝手に思っていた私は、なんか拍子抜け。意外と簡単なものなのかと思った。

そのあと、手術の詳しい説明を受けた。
まずは流れ。
麻酔を点滴で全身麻酔。その後人工呼吸器を付け、扁桃腺を摘出。扁桃腺摘出自体は10〜15分とのこと。その後麻酔が覚めたら人工呼吸器をはずし終了。全体としては1時間程度との説明だった。

麻酔について。
麻酔は点滴でやるそうです。麻酔は普通の注射だと勝手に思ってたので、ビックリ!そして何より気になっていること。途中で麻酔が切れて目覚めてしまうことはないのか。と聞いたら、手術中はずっと点滴で麻酔を入れ続けるので、まず目が覚めることはないですとのこと。かなり安心。
それと、お酒をよく飲む人は麻酔が効きにくいって聞いたことがあるけど。と聞いたら、全然大丈夫ですよ。前日も飲んできてもらっても結構です。飲みすぎて二日酔いになるのだけはやめてくださいとのこと。医学は進歩してるんだなー。

痛みについて。
痛みは子供だとすぐ直って、2、3日でケロっとしているらしい。しかし大人はなかなか直らなくて、2週間から1ヶ月くらい続くとのこと。
また、痛みより出血の方が大変で、傷口から出血したら、どんどん入院が延びるらしい。さらに退院後も出血したら、即再入院だそうだ。気を付けよう。


入院当日
なにわともあれ、入院の日がやってきた。
手術の前日から入院なのだが、私の手術は月曜日だったため、その前の金曜日から入院した。
土日は何もやることがないので、外泊という形で帰らせてくれた。そして、日曜日の夜に戻ってくればいいということだった。
しばらく、何も食べられなくなると思って、土曜日は焼肉。日曜日はうなぎを食べて、いざ入院に挑んだ。

入院2日目(手術当日)
まだ朝6時というのに起こされた。さすがは病院、規則正しい。
前日の夜12時から絶食、当日の朝7時から絶飲食という指示を受けた。あと1時間で何も飲めなくなると思って、とりあえずお茶を飲んでおいた。
その後、少々緊張しながら時間が過ぎるの待っていたら、「はい、食事ですよ〜。」といって、朝食が運ばれてきた。ビックリ!!絶飲食と言われていると伝えると、慌てて持って帰った。

なんじゃそりゃー!!結構、看護士もテキトーだな。

そして、手術1時間前に薬を飲んだ。これは麻酔を効き易くするための薬だそうで、ちょっとぼぉーっとなるので、これからは、あまり歩かないでくださいとのこと。
しかし、まったくぼぉーっとしてこない。大丈夫か??

するといよいよ手術室からお呼びがかかった。車椅子で手術室まで連れてってくれた。妻も両親も来てくれてた為、平静を装っていたが、内心はドッキドキだった。
そして、手術室はまさにドラマに出てくるような部屋だった。そして、まさにドラマに出てくるような手術台に寝かされた。
何人かの医者が手際よく、体には心電図、右手に血圧計、そして口に酸素マスクが付けられた。この酸素マスクからも軽い麻酔が入ってくるそうである。
そして、左手に点滴が付けられた。これがまたヘタクソなのかちょっと痛い。「いてぇーなー、新人かよ!」などと思っていた辺りから、もう記憶がない。気が付いたときには手術が終わっていて、肩を叩かれながら、看護士さんに名前を呼ばれていた。しかし、かなりぼぉーとしている。朝早く起こされたときの寝起きのような、酔っ払って寝てしまったときのような、そんな感じだった気がする。
それから、あまり覚えてないが、たぶん人工呼吸器がはずされて、病室まで運ばれたのだと思う。

病室では、妻と両親の顔が見えた。すごい心配そうに顔を覗いているので、全然大丈夫だよと伝えようと思ったが、ぼぉーとして全然話ができない。そして、また寝てしまった。
それから何時間かたったと思うが、目を覚ました時にはだいぶ意識もはっきりとしていた。
ちなみに、その時点で痛みは全くない。唾も普通に飲み込める。そして、一番驚いたのは普通に声が出せた。
手術後はまったく声が出せないと思っていた私は、妻と話をするためにノートとペンを用意していたのに、まったく必要なかった。
でも、せっかくなので、しばらく妻と筆談をした。耳は聞こえるので、妻はしゃべればいいのに、なぜか妻も筆談で返事をしてくる。手術した気分を味わいたかったそうだ。ほんと他人事でいいな。
ちなみに、私の第一声、「とりあえず、ホッとした。」でした。

そうしたら、妻が私の扁桃腺を見せてくれた。今ってこんなもんまで見せてくれるんだねー。見た感じは砂肝。串に刺して塩コショウで焼いて食ったら結構コリコリしてうまいかも。なんてアホなことをみんなが言っていた。

そのあと、1時間もしないうちに看護士が、「そろそろ歩きましょう」と言ってきた。おいおい、手術も終わってやっと落ち着いたところなのに、と思いつつも歩いた。歩けた。手術って言うと何日も安静にしているものだと思っていたのに、結構軽いものなんだなー。

入院3日目
手術後初めての食事。別にのどに痛みはないのだが、のどが腫れている感じはあるし、なんかすぐ血だらけになってしまうような気がして食べたくない。でも食べないと怒られる。
ちなみに今日のメニューは、
三分粥、具なし味噌汁、やわらかい煮物
三分粥なんてはじめて見た。かっこよく三分粥なんて書いてあるけど、おかゆのお米がほとんどない状態。白くにごった汁の底に、わずかに米が沈んでる。少なすぎてなかなかすくえない。
味噌汁はほんとにただの味噌の汁。こんな食事は初めてだったが、のどが不安だったのでこれで十分だと思った。

実際、食べてみると最初は飲み込むときにちょっと痛いだけで食べれるけど、だんだんのどが痛くなってくる。食事の3割を食べてくらいで、もう耐えられないくらいにのどが痛くなってくる。
残念ながら、初の食事は3割で終了。
昼も夜も三分粥。同じく3割から5割くらいしか食べれず終了。ちなみに、朝食のときに痛くて食べれない旨を看護士に伝えると、痛み止めをくれた。それでもほとんど食べれなかった。
しかし、のど以外は至って健康。もちろんお腹が空く。妻や両親がいろいろおやつを買ってきてくれる。特に調子が良かったのが、プリン、杏仁豆腐、ゼリー、アイス。アイスは冷たいからか、特に食べやすく、超オススメです。逆に注意したいのは、ゼリー。柑橘系は傷口に染みてメチャ痛い。要注意!!
プリンを食べながら、いよいよこれからが辛い入院生活が始まりなんだなと実感した。

今日は、食事以外は24時間点滴。食事や水分が取れなくてもいいように、点滴で水分と栄養補給。簡単に言えばスポーツドリンクを点滴しているようなものらしい。プラス止血剤が入っているそうだ。
その他、1日に数回約30分程度の抗生剤の点滴が追加。
午前中に診察。のどの状態を見られる。

入院4日目
この日は五分粥と、ちょっとだけ具あり味噌汁、そして煮物。全体的に少しずつグレードアップしてきた。
この日も、食事前に痛み止めを飲んでいるが、やっぱり3割程度食べたところで痛くなって終了。しかし、夕食のときはなかなか調子がよく、多少の痛みはあるが、なんとか我慢して初の完食。明日から、ちょっと楽かな。

今日も24時間点滴。そして、数回抗生剤の点滴が追加。午前中に診察と昨日と流れは変わらず。
そして、ついに夕方に点滴が外れて自由の身になる。夜はやっぱりプリンや杏仁豆腐を食べまくりです。

入院5日目
この日は全粥、汁もの、コロッケ。初日に比べるとほんとに食事らしくなってきた。昨日の夕食を完食した私は、今日も完食する気満々で朝食を食べたのだが、結局、3割程度で痛みのため終了。なんで???
どうも、医者によると朝が一番辛いらしい。寝てる間に口の中が乾燥するのと、あと夜中に痛み止めが切れてしまっているから。だそうだ。
おっしゃる通り、昼食と夕食は、痛みに耐えなんとか完食。朝食だけ食べれなかった。
そして、今日からシャワー可になる。久しぶりのシャワーはかなり最高。一回目のシャンプーは全く泡立たない。あぶらギッシュ!!

今日は点滴が外れたので、抗生剤の点滴もなし。その代わりに抗生剤の薬を渡された。毎食後に飲むようにとのこと。さらに手渡されたのがイソジンガーグル。皆さんご存知のイソジンです。そう、うがいをしなさいとのことです。そして午前中の診察。

入院6日目
今日は、朝食がなんと食パン。朝はパン派の私にはかなりうれしい。そのせいもあってか、朝食初の完食。そして、昼食、夕食もなんと普通のご飯。病院のまずいご飯でも、久しぶりのご飯はうまかったです。もちろん完食。
ちなみに、食事のときの痛みはなくなったわけではなく、多少の痛みはあるものの耐えれる程度。我慢しての完食です。もちろん、痛み止め様様のおかげです。

今日も食後の抗生剤の薬と、イソジンガーグル。そして午前中の診察。

入院7日目
今日も普通の食事です。ゆっくりと食べて完食です。だいぶ食事にも慣れてきた。私は腎臓が悪くて扁桃腺を摘出したため、扁桃腺が腫れるために摘出する人とは違って、食事に蛋白制限と塩分制限がかけられている。そのため、とにかく味がない。要するにまずいのです。まー、制限がなくても病院のご飯はまずいとは思いますけど。
この日辺りから、かなりのひまさ加減に辛くなってくる。24時間点滴をしているうちはしょうがないのでベットで寝てるしかないが、点滴が外れた辺りから、だんだん暇になって耐えられなくなる。
早く家に帰りたい。

今日も食後の抗生剤の薬と、イソジンガーグル。そして午前中の診察。


入院8日目
いよいよ退院の予定日が明日。のどの痛みも少しずつ小さくなってきて、テンションも上がってくる。いつもの午前中の診察で、明日出血がなければ退院OKとのこと。やっと帰れる。退院後は特に特別な制限はないが、硬いものだけは絶対に食べないようにとのこと。硬いものとは、ビスケット、せんべい、ポテトチップスなどなど。傷口に硬い食べ物があたると、また出血してしまうらしい。もちろん即再入院。それだけはなんとしてでも避けなければ。

そして、今日も食後の抗生剤の薬と、イソジンガーグル。

入院9日目
午前中の診察を終え、正式に退院の許可が出た。さすがに一週間もいると、同じ部屋の人と、お互いに顔を覚えてくる。私が退院というのを聞きつけて、みんながおめでとうと言ってくれる。ちょっと前まで全然知らない人だったけど、とてもうれしい。退院が決まったとたん部屋を追い出されて、それなのにまだ迎えが来てない私の話し相手になってくれた。今まで、挨拶とちょっとした会話しかしたことなかったが、今日初めてじっくり話した。
入院の病室はみんなが病人なので、病気のことは全然気を使わず聞いてくる。自分の病気のことやらを話してるうちに、妻が来たのでいよいよ帰ることに。みんなが口々に
「もう来るなよ!絶対戻ってくるなよ!!」
病院でしかありえない別れ際の会話である。でも、絶対に戻りたくない場所である。他のみんなも早く良くなるといいなぁ。
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